- 外壁塗装でツヤ消し塗料はダメなの?
- おすすめのツヤはあるの?
- 何か選ぶ基準があれば知りたい
塗装歴9年の経験をもとに解説していきますね。
さっそく本題ですが、塗料には5つのツヤの種類があります。
ツヤの種類 | 別の呼び方 | グロス値 |
---|---|---|
ツヤ有り | ツヤ有り | 80以上 |
7分ツヤ | 3分ツヤ消し | 70 |
5分ツヤ | 5分ツヤ消し | 50 |
3分ツヤ | 7分ツヤ消し | 30 |
ツヤ消し | 全ツヤ消し | 3〜10 |
なんとなく選んでいる方も多いと思いますが、実は塗料の「ツヤ」は見た目だけではなく耐候性(たいこうせい)にも影響します。
ツヤ消し塗料は、フラットベースというツヤ消し剤が多く入っているため、紫外線や雨から守る力が弱くなってしまうんですよね。
ツヤ消しの見た目はかっこいいのですが、せっかく塗り替えをするのなら、見た目だけではなく耐候性も考えるべきでしょう。
この記事では、ツヤ消し塗料のメリット・デメリットを解説したうえで、外壁に適したツヤの使い方を紹介します。
外壁に使う塗料にツヤ消しをあまりおすすめしない理由
ツヤ消し塗料は人気なのですが、外壁に使う場合のデメリットもあると知っておきましょう。
ツヤの種類 | 別の呼び方 | 耐候性 |
---|---|---|
ツヤ有り | ツヤ有り | 高い |
7分ツヤ | 3分ツヤ消し | ↓ |
5分ツヤ | 5分ツヤ消し | ↓ |
3分ツヤ | 7分ツヤ消し | ↓ |
ツヤ消し | 全ツヤ消し | 低い |
そもそも「ツヤ消し」が選べない塗料もありますし、基本的に塗料はツヤ有りのほうが全体的に性能が高くなっています。
ツヤ消し塗料は汚れがつきやすい
ツヤ消し塗料は目で確認できませんが、塗膜の表面がデコボコしているため、汚れがしみ込みやすい状態になっています。
表面のデコボコが光を乱反射させて、ツヤがないように見せているんです。
スマホのフィルムでいうと「低光沢タイプ」みたいな感じをイメージしてみてください。表面に引っかかりがあるので、汚れやシミに弱く、一度汚れがついてしまうとなかなか取れにくくなっています。
逆にツヤ有りは表面がツルっとしていて、汚れを取るのもけっこう楽なんですよ。
普段メンテナンスできない外壁にとっては、汚れは大敵。できれば避けたいですよね。
ツヤ有りに比べて耐候性が低くなる
ほとんどの塗料はツヤ有りの塗料に「フラットベース」というツヤ消し剤を入れて調整をしています。
基本的には塗料を発注したときに、塗料メーカーでツヤの調整をしてもらいます。工場で生産されているってことですね。
- 7分ツヤ:10%〜
- 5分ツヤ:20%〜
- 3分ツヤ:30%〜
- ツヤ消し:50%以上
ツヤ消しにいたっては半分以上がフラットベースです。性能が低くなるのはわかりますよね。
中にはリシン(吹付け材)みたいな、もともとツヤ消しの塗料もありますが、ほとんどの場合はフラットベースが入っています。
見た目よりもメンテナンス性能が重要
外壁は車のように簡単にメンテナンスができないので、少しでもツヤのある塗料をおすすめします。
外壁を少しでも長持ちさせたいのなら、3分ツヤなどを使ったほうがよいでしょう。
外壁は毎日紫外線や雨の影響を受けているのにも関わらず、基本的に放置されたままです。できれば少しでも長くもってもらいたいですよね。
外壁塗装にかかる費用は安くないので、見た目よりも性能を意識しましょう。
デメリットだけじゃない!ツヤ消し塗料のメリットを紹介
ここまではツヤ消し塗料のデメリットばかりでしたが、もちろんメリットもあります。
傷やへこみが目立ちにくい
ツヤ消し塗料は外壁の傷やへこみが目立ちません。
逆にツヤ有りは傷が強調されるので、塗り終わったあとに今まで気づかなかった傷やゆがみが目立つことあります。
特にモルタル壁や金属サイディングなんかは、歪みも目立ってしまうでしょう。色ムラだと勘違いする方もいるくらいです。
半艶くらいになると傷が目立ちにくくなります。
落ち着いた雰囲気に仕上がる
ツヤがあると太陽の光でギラギラ、年配の方にはウケがいいのですが…あまり派手なのは好みじゃない方もいるのではないでしょうか。
- ギラギラした主張がない
- 見え方にムラが少ない
- 和風、洋風どちらにも合う
ツヤ消しはどんな住宅にも合わせやすいうえに、人に与える印象も優しいです。
年数が経っても見た目が変わらない
ツヤが引けの心配がないので、色落ちしない限りは年数がたっても同じ雰囲気を維持できます。
場所によって見え方が変わってしまうツヤ有りとは違い、経年劣化によるツヤむらが起きないのは大きなメリットです。
ツヤ有りはだいたい2〜3年でツヤが40%くらい落ちてくるんですよ。
塗料はツヤを上手く使い分けると性能も見た目もバッチリ
ここで紹介するのは、ツヤがあっても落ち着いた雰囲気に見せるテクニックです。
濃い色はツヤを抑えたほうが上品に仕上がる
濃い色や鮮やかな色はツヤを抑えたほうが上品に見えます。
白系の色はそこまで変わりませんが、「青」「黒」「茶」といった色はツヤによって雰囲気が全然違います。
逆にツヤ消しは同じ色でも白くボケるので、色を選ぶときは必ずサンプルを取り寄せましょう。
真っ白のベンツよりも真っ黒のベンツのほうが威圧感が出ますよね。そんな感じです。
凹凸が多い外壁はそこまでツヤが目立たない
デザインがフラットな外壁ほどツヤが強調されてしまいます。
- 凹凸が多いデザイン→あまり光らない
- 金属系のフラットなデザイン→ギラギラと反射する
例えば上記のようなデザインであれば、5分ツヤくらいならそこまでギラつかないはずです。
凹凸が細かい=光が乱反射しツヤが目立たなくなる。これはツヤ消し塗料の表面と同じ原理ですね。
天井部分はツヤ消しでもそこまで影響がない
天井部分は基本的に「紫外線」が直接当たらないから劣化スピードも遅いんです。
なので、外壁の天井部分に使われているケイカル板などはツヤ消し塗料が使われていますね。
耐候性が必要ない部分はツヤ消しでも十分なんです。逆に屋根はツヤ有りのほうが適しています。
屋根は特に劣化も早いので、ツヤ有りでもすぐにツヤが引いてきます。
まとめ:外壁を塗装するなら3分ツヤがおすすめ!
外壁に使う塗料は3分ツヤをおすすめします。なぜなら、落ち着いた雰囲気もあり、ツヤ消しよりも性能が高いからですね。
- 屋根→ツヤ有り
- 外壁→3分ツヤ
- 天井→ツヤ消し
- 付帯部→3分ツヤ
ただ、色んな種類の塗料を使うと割高になってしまうことがあるのでやりすぎは注意です。
もし迷ったら屋根はツヤ有り、それ以外は3分ツヤにしておけば落ち着いた雰囲気の住宅に仕上がります。
色んな塗料があるので、プロに相談したほうがわかりやすいかもしれませんね。
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