塗装用のエアーコンプレッサーは必ず「使う工具」と「塗るもの」に合わせて選んでください。
- 自分に合ったコンプレッサーが見つかる
- 正しい選び方が理解できるようになる
- エアー工具で無駄な買い物をしなくなる
現場経験が長いので、釘打ち機など色んなタイプのエアー工具を使ってきました。その中でも塗装工具ってけっこうエアーの消費量が多いんです。
つまり、塗装用品はコンプレッサーをテキトーに選んだら失敗する可能性大。安物だとエアーの供給が追いつかないし、オーバースペックだとお金の無駄になるでしょう。
そうならないためには「塗装する対象(もの)の大きさ」に合わせた性能のコンプレッサーを選ぶ必要があります。
この記事を読めば、エアーコンプレッサーの基本的な選び方が理解できます。おすすめの製品も紹介しているので、参考にしてください。
チェックするポイントは「吐き出し空気量」と使い方のバランス。ぜひ覚えていってください!
失敗しない塗装用エアーコンプレッサーの選び方
まずはスプレーガンとコンプレッサーの性能をチェック。仕様書などに記載してあるので必ず確認してくだい。
- スプレーガン「使用空気圧」:1分間に使う空気量
- コンプレッサー「吐き出し空気量」:1分間に作れる空気量
例えば吐き出し空気量が「260L / min」のコンプレッサーなら、使用空気圧「200L / min」のスプレーガンは問題なく使える。
スプレーガンを調整して使うので、少しオーバーするくらいは問題なし。
使い方に合った性能を選ぶ
基本的にはコンプレッサーの容量が大きければ大きいほど「エアー切れ」が起きにくい。
- 使うガンの性能に見合った同じくらいのタイプを選ぶ
- 塗料やエアーを絞って使うから容量は小さくてOK
- とにかくたくさん塗るから余裕をもったスペックがいい
コンプレッサーの容量は基本。しかし、スプレーガンの調整でもけっこう変わるので、そこそこ基準に近ければOK。
余裕をもって選んでいても、長時間塗りっぱなしで使うときはエアーが負けてしまうってこともあります。
エアー工具の性能を考える
できればコンプレッサーの容量に抑えておくのが無難。しかし、コンプレッサーに表記してある数値にはちょっと注意してください。
多くのスプレーガンは「0.6MPa使用時」などになっていますが、スプレーガンに適した空気圧力は「0.3〜5MPa」ほど。
つまり、ちょっとした塗装だけに使うならけっこう余裕があるってことです。
タンク容量はカバーできる
コンプレッサーのタンク容量が大きいほど、1回に使えるエアーが増えます。
なので、付属しているタンクだけでは物足りないと感じたときは「補助タンク」を使えばOKです。
塗装工場なんかは200〜400Lなどの大型補助タンクを使っていますよ。
スプレーガンにおすすめのエアーコンプレッサーを用途別に5つ紹介!
ここでは使い方に合わせて5つ紹介します。
エアーブラシのみ:専用コンプレッサー
すみません、正直言うとエアブラシは使ったことがないのですが、セットで購入するのがいいかなと思います。
- 小型で持ち運びやすい
- 必要なものが揃っている
- 簡単な説明書付き
これだけ揃っていて1万円台ならお買い得です。初めての1台に十分満足できるはずです。
小さいものがメインの場合はちょい上の入門機が必要
エアブラシはもちろん、スプレーガンも使いたい人向け。ただし、大きい面積の塗装はきついかも。
- 吐き出し空気量:70L(0.6MPa時)
- 可動中の音:65dB
- 本体の重量:15kg
※騒々しい事務所で70dB
ちょっとした塗装なら問題なくできる性能。入門機にはちょっと迷う価格かもしれませんが、スペックをみると十分安いです。
色んなものを塗りたい人向けのハイスペック
約6万という価格は高く感じますが、DIYで使うコンプレッサーとしてはこれ以上ないコスパかなと思います。
- 吐き出し空気量:162L(0.6MPa時)
- 可動中の音:70〜80dB
- 本体の重量:22kg
※電車の車内で80dB
このモデルが登場したときは正直ビックリしました。だって性能から考えると安いですもん。
DIYで使うならこの価格帯で限界かなと思います。
先に言っておきますが、この価格帯以上は出さなくてもOKです。このあとに紹介するコンプレッサーはスルーしてください。
本格的にスプレーガンを使いたい
エアー工具の「MAX」が発売した塗装対応のコンプレッサー。現場で内部塗装をしていたときはこの価格帯のモデルを使っていました。
- 吐き出し空気量:128L(0.6MPa時)
- 可動中の音:67dB
- 本体の重量:15kg
※普通会話で60dB
持ち運びを考えたときには、この手のクラスが最上級になります。それでも「塗る面積が広い場合」はエアーが負けてしまいます。
性能の良いコンプレッサーとはいえ無理がかかると頼りなく感じます。あまりスペックを過信しないほうがいいかもしれませんね。
プロ並みの環境で塗りたい
参考程度に見てください。200Vですし、一般的家庭では不要です。
業者との付き合いがないとメンテナンスも大変ですし、DIYで使うようなものではありません。
会社の倉庫で、家具の塗装をするときに使っていたタイプです。
DIYでは使わないレベルですよね。
エアーコンプレッサーに必要な付属品
コンプレッサーとセットで用意しておきたい工具です。
レギュレーター
コンプレッサーに直接エアホースを挿すのではなく、レギュレーターを中間に入れてあげましょう。
空気圧の調整を補助してくれるだけではなく、エアーに含まれた水分を取ってくれます。
最悪の場合ホースからも水が出ることもあるので、塗装をするなら必須アイテム。
コンプレッサーは水が溜まりやすいので、きちんと水抜きしておかないとダメです。
エアーホース
度を越した「圧(MPa)」で使わない限りは破裂しませんが、ホースの対応圧はチェックしておきましょう。
値段の高いホースは、クセがつきにくく耐久性が高くなります
安物だからってダメなことはないのですが、柔らかいタイプが使いやすいです。
カプラ
※スプレーガンには「めねじ」を取り付けてください
ホースやエアー工具などをカチッとつなげる接続部「カプラ」の話。ちょっとややこしいので簡単にまとめますね。
使うのは「ハイカプラ」で統一してください。
- コンプレッサー:ハイカプラ / SF型(オス)
- スプレーガン:ハイカプラ / PF型(メス)
- エアーホース:ハイカプラ / PNとSNのセット
詳しくはこちらを参考にしてください。
ホース用には「N(ナット)タイプ」を選べばOKです!ホースの太さもチェックしてくださいね。
わからない場合はカプラ付きのホースを買えばOKですね。また気が向いたら詳しく解説します。
補助タンク
塗装においてはメーカーからもサブタンクの使用が推奨されています。
エアーが物足りないなと感じたらサブタンクも効果ありです。
まとめ:塗装用エアーコンプレッサーは使う目的に合わせて選べ!
安いモデルだと1万円台で購入できるコンプレッサーもありますが、スプレーガンにおいては力不足ってことが多いです。
- スプレーガンに合わせる
- 塗装するものに合わせる
- とりあえず容量を確保する
コンプレッサーは性能が高いほど安心。とはいえキリがないので、ある程度の余裕さえもたせておけばOK。
自分の使い方が決まっていれば失敗しないはずです。
予算に余裕があるのならワンランク上のタイプを選んでください。
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